考えるカメの考察日記

自分の考えたことを、気の向くままに書いていきます。

「ポツンと一軒家」を見て思ったこと

テレビ朝日系列で、「ポツンと一軒家」という番組が放送されています。

山奥などでポツンと存在している家屋を見つけて、そこでどのような人が暮らしているのかを取材する、というような内容です。

 

この番組で紹介される住居に住んでいるのは、高齢者が多いです。

このことについて、少し歴史をさかのぼって考えてみます。

 

 

 

日本はかつて「多産多死」の社会だった

日本は少し前までは、「多産多死」の社会でした。

20世紀の半ばごろまでは、子どもがたくさん生まれる一方で、大人になるにつれてさまざまな要因によって亡くなってしまう場合も多く、多くの人が早くに亡くなってしまう状態でもありました。

 

平均寿命も高くはありませんでした。

 

その後、感染症への対策だったり、公衆衛生の向上が図られたりして、徐々に人が亡くなりづらくなっていきます。

 

それと共に、経済のレベルが上がっていくにつれて、一世帯あたりの子どもの数は減少し、2人か3人、今では1人ほどが標準になっています。

 

このことは、FACTFULNESSでも言及されていたことで、世界各地でも同じ傾向がみられるといいます。

 

このように見てみると、一つの事実に気が付きます。

 

それは、戦後以降の日本は、日本の歴史上初めての多産多死でない社会である、ということです。

 

 

 山林の管理をどうしていくのか

そのことが、山林に対して、どのような影響を及ぼすか?

 

 

多産多死の状態であれば、全国どこにでも人がいます。

 

当然山の中にも、かつてはたくさんの集落があったでしょう。

 

 第一次産業が中心であったことを考えれば、山の付近に住むことの必要性も高かったはずです。

 

今、番組で取りあげられている家屋というのは、かつて山の中にも人がたくさん住んでいた名残であると考えられます。

 

一方で、今の社会を見てみれば、多産多死の状態から時代は変わり、少子高齢化が進んでいます。

 

今後、増加する高齢者や、その次の世代が暮らしていきやすいようなまちづくりを進めていく必要があります。

 

こうしたなかで、近年はコンパクトシティーの構想がでてきています。

 

少子高齢化が進行していくなかで、人々の生活圏を集約して生活の利便性を上げていく、という方針にはうなずけます。

 

 

こういったなかで、今後、山の方での暮らしをどうしていくのか、という課題がでてきます。

 

山で暮らしている人が将来的に自然といなくなっていくというのは、コンパクトシティー化の方向性に沿うものであると、一瞬、考えられます。

 

しかし、山の方の集落で代々暮らしてきた人々の思いも、考慮しなければなりません。

 

また、土地というのは、手入れをしてあげないと、荒れてしまいます。

 

一度荒れてしまうと、再生させるまでが大変になってしまいます。

(土地の活用を続けるのか、もう続けないのかの決断が求められますね。)

 

このように、山の中での生活圏を維持していくのかどうか、維持していくのであれば、人手をどうしていくのか、という課題に将来的に直面していくと考えられます(もう直面しているところもあると思いますが)。

 

 

また、注目すべき点は、山地から人がいなくなっているというのは、今までの歴史上なかったという点です。

 

今まで人がいるのが当たり前だった場所で人がいなくなり、人の手が入らなくなると、想定していなかったような事態が生じることもあるでしょう。

 

 

この先、山から人がいなくなっていくなかで、山の集落で営まれてきた伝統をどのようにしていくのか、山林のありかたをどのようにしていくのか。

 

番組を見て、以上のようなことを考えさせられました。

 

最後までお読みいただいてありがとうございました。