考えるカメの考察日記

自分の考えたことを、気の向くままに書いていきます。

今の社会の問題点とは?理論ベースで考える。

今の社会の問題の根本的な部分について、脳科学資本論の考えを取り入れながら、理論的に考えてみます。

(山口周さんの著書「ビジネスの未来」と、100分で名著・資本論の斎藤幸平さんのお話、脳科学の教科書・こころ編から影響を受けています。)

 

そもそも資本主義は、無限の資本の増殖を前提としているシステムです。

この考えをもとにすると、ずっと経済成長が続くと仮定し、それに見合った社会のシステムを構築することになります。

経済成長が続いているうちであれば、頑張れば報われると信じられるし、賃金も上がっていくので、多少は我慢することは可能だったと考えられます。

 

ところが、今はモノの経済が成熟し、これ以上の経済成長は望めなくなってきています。

ですが、社会のシステムは、成長を前提にしています。

そのため、なんとか経済を成長させなくてはと思い、そのための方法をいろいろと考えるようになります。

そういったなかで、ついていけなくなり、心身を病んでしまう人がでてきてしまいます。

商品を売らなければ、なんとか頑張らなくては、という気持ちは、脳科学でいう、社会的な二次感情といえるでしょう。

世の中ではそうするのが当たり前だから、そうにしないとだから、という気持ちです。

それは、本当はやりたくない・逃げ出したい、という生物学的な一次感情・情動反応に反することです。

社会的な二次感情によって、一次感情・情動反応が抑圧されている、といえるでしょう。

 

じゃあ、嫌ならやめればいいじゃないか、と思われるかもしれません。

ですが、そう簡単にはいきません。

そこにも、資本主義のシステムが関係しています。

資本主義では、あらゆるものが商品化されています。

そして、それを手に入れるためには、貨幣を使う必要があります。

 

かつては、自由に得ることができた、農産物や水なども、貨幣を使わないと手に入れることができません。

その貨幣を手に入れるためには、働いて、賃金を得なければなりません。

そのために、現代では、やめたいという、一次感情を抑える必要性に迫られているといえるのではないでしょうか。

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この状況に対して、どのように対処したらよいのでしょうか。

経済成長を前提としているシステムのなかで、経済成長がこれ以上望めないなかでそこを目指してしまうというところで、無理が生じてしまっています。

そのようななかで、つらくてもなんとか働かなくては、と思ってしまうのは、賃金(貨幣)を得なければならないからです。

この状況から抜け出したい・やめたい、と思っても、お金に対しての懸念があると、その気持ちを優先することができません。

社会的な二次感情ではなく、一次感情を優先するためには、貨幣が必要です。

生活に困らないくらいのお金を得られなければ、二次感情を安心して手放すのは難しいと考えられます。

セーフティーネットはありますが、それでは十分ではない、という人もいるでしょう。

 

また、商品化されているもののなかから、生活に必要なものは公共のものにして、貨幣がなくても入手できるようにしていく、という取り組みが必要であるともいえます。

 

・今までよりも経済成長が難しく、仕事への風当たりは強まっているが、賃金(貨幣)を失うことへの不安から二次感情を手放せない

・お金がないと手に入れられないものが多い

 

ということが今の世の中の問題の根本部分に存在しており

 

・お金に対しての不安をもう一段軽減していく

・過度な商品化を是正する

 

ということが将来的な課題として存在しているといえるのではないでしょうか。

 

お金の不安から解放されて、気持ちを落ち着けることができれば、一次感情・情動反応を優先することを取り戻すことができるでしょう。

そのことが、自分がやりたいと思うことへの気づきにつながり、自分にあったかたちで賃金を得る道を探ることができるようになると考えられます。